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PILOT 百周年記念インク 毘沙門天

2019-03-06 ,

創立から100年を迎えたPILOTが2018年に記念モデルを発表しました。その名も七福神。7つの神様になぞらえた万年筆とインクが発表され、話題を呼びました。そんな七福神企画(?)も遂に先日より販売開始となったのです。公式サイトはこちらからどうぞ。

七福神の蒔絵が施された万年筆が7種類、インクも7色展開されています。それぞれの福神ごとに万年筆とインク、ペンケースの3点セット販売がされており、価格は50万円とのこと。記念の限定モデルと考えればあり得るお値段ですよね。万年筆は上を見ればキリがないのでこれくらいは慣れっこです。

ただ問題なのはそちらではなく、万年筆7本とインク7色、つまり七福神全部をまとめて重箱に収めたという超豪華なモノなんです。お値段なんと500万円。世界限定25セット販売の超ド級コンプリートバージョンは、万年筆本体と同様の蒔絵が施されたペントレーや専用重箱も含まれており、そう考えると安いのかな...?桁がぶっ飛びすぎててもはやよくわかりませんが。

まあ買うかどうかはさておき実物を見てみたいなということで、東京の大きな文具店と言えば銀座伊東屋だろうと久しぶりに行ってきたました。そしたらなんと七福神コーナーが出来上がっていました。すごい。万年筆やインクが展示されていてずっと眺めていられます。もし近くにいらっしゃることがあれば立ち寄ってみてください。

今回はそんな七福神万年筆を購入したのでレビューを、と言いたいところですがそんなもの買えるはずもなく。限定色にしては通常と変わらない良心的なお値段で販売されているインクのみ購入しました。

特設コーナー
全色セット

 七福神インク

まあ要するにそれぞれの福神のイメージをそのままインクの色で表現したよってことです。万年筆インクの定番色であるブルーブラック系統がむしろ少なく、全体的にカラフルになっているのが嬉しいですね。この際ですから普段なら絶対に選ばないようなビビッドなインクを買ってみてもいいかもしれません。

以下、公式サイトからの引用です。

恵比寿: 水色
古くは「大漁追福」の漁業の神として崇められていましたが、現在では「商売繁盛」や「五穀豊穣」をもたらす福徳の神として信仰されています。水色のインキは、万年筆に描かれている恵比寿が座る岩場周りのきらめく海の色をイメージしました。


大黒天: 黄色


食物・財福を司り「財宝」「福徳開運」の神様として信仰されています。黄色のインキは、万年筆に描かれている大黒天が腰かけている米俵の色をイメージしました。





毘沙門天: 赤色

「融通招福」や「勝負事」の神様として信仰されています。赤色のインキは、万年筆に描かれている毘沙門天の背後に浮かぶ宝輪から放つ炎の色をイメージしました。





弁財天: 桃色
七福神で唯一の女神であり「知恵財宝」の神様として信仰されています。さらには、「愛嬌縁結び」の徳があるとして崇められています。桃色のインキは、万年筆に描かれている弁財天の着物の色をイメージしました。



福禄寿: 緑色
道教の三徳「福」=子孫繁栄、「禄」=健康財産、「寿」=健康長寿、の三文字から「福禄寿」と呼ばれ、「招徳人望」の神様として信仰されています。緑色のインキは、万年筆に描かれている福禄寿が乗っている亀の色をイメージしました。



寿老人: 薄紫色
「長寿延命」「富貴長寿」の神様として信仰されています。薄紫色のインキは、万年筆に描かれている寿老人の着物の色をイメージしました。






布袋尊: 黒緑色
「笑門来福」「夫婦円満」「子宝の神」「富貴繁栄」の神様として幅広く信仰されています。黒緑色のインキは、万年筆に描かれている布袋尊の首飾りの色をイメージしました。




小瓶7本セット: 8,000円+消費税
各色大瓶: 1,600円+消費税
出展: PILOT 

販売形態は2種類、小瓶を全7本セットにしたものと単色の大瓶とがあります。小瓶セットはインク量を考えるとかなり割高になってしまいますが、全色揃えられて専用ケースも付属するとなればまあ妥当かなという感じです。逆に大瓶の方は普通の値段です。同じサイズの色彩雫が1,500円+消費税ですので、100円しか変わらなということを考えればかなり良心的です。

いずれも限定モデルということで数が限られているようですので購入を検討されている方はお早めにゲットしておいた方がいいでしょう。さすがに1週間やそこらでなくなることはないにしても生産数が限られている以上はいつ切れるかもわかりませんので。

ちなみにこれらの瓶は色彩雫と同様のものが使用されていますので、これまでに色彩雫を購入された方はその子たちと並べて飾ってあげればいい感じになることでしょう。ただ小瓶に関してはキャップの色がインクごとに分けられているので(色彩雫は全て黒)、セット価格が割高なのはそこら辺のコストも関係しているのかもしれません。

毘沙門天



わたしが購入しましたのは毘沙門天です。小瓶セットも少し考えはしたのですが、個人的にはあまり使いそうにない色があってもったいないのと、コレクション欲というものが一切ないためやはり使わずに飾るためだけに買うのもなぁということで大瓶での単色購入となりました。

どの色も個性的で書いていて楽しいとは思うのですが、まあこのラインナップで1つ選ぶとなると迷うことなく毘沙門天の一択でした。赤好きらしく普段から赤いインクを常用しておりまして、既に持っているインクたちも軒並み真っ赤です。ひと口に赤と言っても比べて見てみると全く色味が異なるので、適当な頻度でローテーションしていくことで微妙な変化が感じられて楽しいのです。

わたしのささやかな赤インク一家に仲間入りを果たしたところで、色合いの比較をしてみましょう。今回使うのは同じPILOTから色彩雫の紅葉山葡萄、SAILERは四季織の奥山夜焚です。いずれも日本の情景をイメージした色のインクを多数そろえているシリーズで、お手頃な小瓶での購入が可能なため重宝しています。もちろん大瓶もありますのでこれという気に入ったものがあれば買ってしまってもいいでしょう。


実際の色合いがこちら。使用したのはLAMY joyの1.1mm幅です。写真では微妙な色の違いを完璧には表現できませんし、お使いの液晶によって見え方が異なるのでまあ参考程度にしてください。

初めに書いてみて思ったのが、想像以上に紫っぽいなということでした。事前にネットでちょこっと調べた感じでは黒寄りの暗い赤かなと思っていただけに、鮮やかな発色にびっくりしました。最初に感じた紫っぽさを比較するために山葡萄を並べることにしたのですが、さすがにここまでグレープっぽさはなかったですね。

紅葉は真っ赤な発色で明るすぎますのでぱっと見ただけでも全く違う色味だとわかります。判別しづらいという点で考えれば一番奥山に近いかなという印象です。どちらも赤紫なのですが紫寄りな奥山に対して毘沙門天は赤寄りという感じで、一見すると同じように思えるのですが方向性が少し異なります。

新しい赤インクとしてこれまでのインクともどもそのときの気分によって使う色をコロコロと変えていきたいところです。

終わり

日常的に字を書きまくるというほどではないのでこれまで小瓶で済ませてきたのですが、限定という文句に釣られて久しぶりにおっきなボトルインクを買ってしまいました。これから先たっぷりと使い続けることになりそうです。

万年筆に関してはもう何本か持っているので追加で買うようなことはなさそうですが、やはりインクは色々と使いたくなるものですね。大抵のものは数千円もあれば買えてしまうので今回のようについつい手を出してしまいそうです。買うとしても相変わらず赤っぽいのになるのでしょうが、また良さそうなのがあれば仲間に加えたいと思います。

最後に余談なのですが、自分の字はどうも好きになれそうにありません。正直なところこうやって書いたものを載せるのも恥ずかしすぎて泣きたくなるくらいなのですが、今回ばかりは我慢することにしました。万年筆類が趣味だってのに字がアレだとやっぱり格好がつかないので、ペン習字でも始めようかと改めて思わされます。おすすめの講座があればぜひ教えてください。

またお会いしましょう。

1 comments:

管理人:ふ゛り said...

このインクに興味があり、レビューを探してたどり着きました。
PILOTの他の赤系とはキチンと変えてありますね。
参考になりました。
字は至って普通ではありませんか。
超下手字の私が言えるクチではありませんが、、。

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